パチンコ屋のイメージは年々悪くなるばかりですが、社員の教育に関しては他の業界と比較にならないくらい進んでいます。接客接遇に関しては、日本でもトップレベルの実力を持っています。
リッツカールトンとの比較をしての研修などを行うくらいなので、普通の業界では太刀打ちが出来ないほどの教育が行われています。
今から紹介するクレーム術はパチンコ店員時代に僕が実際に行っていたことです。
全てにおいて通用するとは限りませんが、テクニックのひとつとして捉えて頂けたらと思います。
これだけは譲れないというものがあれば対応は楽になる
まず始めに、パチンコ屋のクレーム対応は簡単です。なぜなら答えがNOと決まっているから。例えこちらに非があるかもしれない場合でもNOなのです。
このパチンコ業界ではNOという絶対的なものがあります。
それはお金を返金しない事。金銭の要求には一切応じない事。
このルールが確立されている為、ものすごくクレーム処理は簡単です。
よく聞くセリフでは、店長を呼べ!ですね。店長を呼ばれても答えはNOです。
それが徹底されているので、クレーム=時間の無駄なのです。
とにかく話を聞いてあげること。ただそれだけです。その内相手が折れます。
パチンコ屋のクレームは大体パターンが決まっています。
- 出ない
- 遠隔している
- 俺は常連なのに
基本毎日くるクレームはこの3パターンです。
余談ですがパチンコ屋が遠隔をしているか?という疑問があると思います。
結論からいえば、ありません。もっといえばする必要がありません。
パチンコ屋は何もしなくても、物凄い売り上げをあげています。
もし不正行為をして、摘発されでもしたら、1店舗のみならず、グループ全店が営業停止になってしまう恐れがあります。
そんなリスクを冒してまで遠隔をしますか?しませんよね。
たまにプレミアが外れたとありますが、パチンコの演出に確定はありません。
プレミアが外れたと騒いでも、どうにもなりませんから。
相手よりも更に辛い体験を伝える
これは、結構使う頻度を高めていました。
例えばパチンコの場合、10万負けた!どうしてくれるんだ!
どうする事も出来ませんよね。10分でも、1時間話しても、結論はどうする事も出来ませんなのですから。ぶっちゃけそんなクレームに時間をかける事は出来ません。
じゃあこういった場合の対処法は、相手よりも辛い体験を伝えることです。
「10万ですか?僕昨日20万負けました!しばらくただ働きですよ!」
逆に相手から頑張ってと応援されます。
こういう風に相手より辛い経験を伝える事で、相手の怒りはほぼ収まります。
僕が店長になるまで待ってて下さい
これも良く使ってました。
この店はつまらん!とか、客の事を考えてない!とか、具体的ではなく抽象的なクレームで営業に対してクレームをしてくる場合の対処法は
「僕が店長になるまで待ってて下さい」
こう言えばいいのです。
期待しておくからな。と笑って去ってくれます。
クレーマーにはこちらから先手を打つ
あの人はクレーマーだから。そう言われる人はどの業界にもいます。
うわまた来たよ。と嫌な気分になる人も多いかと思います。
しかし、そこで逃げたら相手の思うつぼで、またクレームを言われてしまいます。
僕は、クレーマーが来たら先手を打つようにしていました。クレーマーも出会った瞬間からクレームを入れる事はほぼないので、挨拶から入り、相手の懐に入っていきます。そして相手がクレームを言う前にこちらから問いかけます。
今日は何か気になる事はありますか?
クレームは言えと言われれば、言いにくいし、咄嗟に思いつくものでもありません。
気になる事があったらすぐ言って下さいね。
こう言って立ち去ればOKです。仮にまたクレームを言ってきても、
僕はクレーマーの味方のポジションを確立してるので、軽くあしらう事が出来ます。
クレーマーこそファンになってくれる
激しく激怒して、2度とくるか!と捨て台詞を吐いて、次の日も来るという事はパチン
コ屋においてよくあることです。
出会った瞬間こういいます。
あれ?もう来ないって言ってませんでした?
怒りを次の日まで引きずる人はなかなかいません。
普通に接してくれる人がほとんどです。そして他の客よりも少し多めに話しかけ、
特別扱いしてくれていると思わせるのです。するとその怒り狂っていた人が
僕のファンになってくれるのです。
クレーマーをファンに出来れば、もう怖い者はありません。
店員対客という立場ではなく、
人間同士という立場に変えれば対等に話が出来ます。
クレーマーを見抜く能力を高める
クレーム対応を続けていると、クレームを言う人の特徴がわかってきます。
これは経験を積まなければわからないと思いますが、クレームを言うだろうと気になった人は、ほぼクレームを言ってきます。
そしてこれが最も大切
この人にはここまで踏み込んでも大丈夫というラインを見極める事。
この距離感さへ掴めれば、クレーム処理は成功します。
上手く対応出来ても、その距離感を間違うと全てが台無しになる恐れがあります。
謝罪の言葉は2回で済ませる
よく何度も頭を下げて、すいません。すいません。と言っている人がいます。
あれはクレーマーを調子に乗らせるだけなので、逆効果です。
お前は「すいません」しか言えないのか!・・・「すいません・・」
これはクレームの対象が、事から人へと変わってくるので、人格を攻撃されます。
謝り続けるというのも1つの手ですが、メンタルが強い人だけが行える手法です。
普通の人だと精神が病んでしまいます。
謝罪の言葉は2回で大丈夫です。
最初の申し訳ございません。そして最後の申し訳ございません。
この2回あればいいのです。
最初の申し訳ございませんは、起きてしまった事に対しての謝罪です。
最後の申し訳ございませんは、時間をとらせてしまった事に対してです。
何度も謝罪をすれば言い訳ではありません。
大切なのはマニュアル人間にならないこと
どの会社もクレームに対しての講習会や、マニュアルがあると思います。
それは間違いではないですが、正解でもありません。
マニュアル通りやったのに解決しない。当たり前です。
マニュアルの中にはない、感情というものが入ってくるからです。
この感情のコントロールを行ってこそ、初めてのクレーム対応なのです。
最後に
ここまで書いたクレームの対応術は、私が経験しながら身に着けたものです。
一番はお客様にファンになっていただく事です。クレーム対応に強くなるとあなたのファンになってくれる可能性が高くなります。
クレームは積極的に受けた方が、後の利益に繋がる事が多いので、大変かもしれませんが頑張って下さい。
ただ、ここに記入したことは、全て常識が通用する人の場合です。
世の中には常識が通用しない人がいるので、その時は警察にお願いしましょう。